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2007年12月 9日

ピクニック

Movie

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大学の授業で鑑賞。
鑑賞後に『勝手にしやがれ』の買付けなどに従事し、1979年にフランス映画、文化紹介の功績により
フランス政府から芸術文化勲章賞を受章した秦早穂子さんがゲストで来られていて、
この映画の詳細な解説をしてくれました。

僕自身はそれまでジャン・ルノワールなんて全然知りませんでした。


監督は印象派の巨匠、オーギュスト・ルノワールの次男、ジャン・ルノワール。

本作は撮影にジャン・ルノワールの兄で俳優のピエール・ルノワールの息子のクロード・ルノワール、
編集にジャン・ルノワールの愛人のマルグリット・ルノワール、
さらにジャン・ルノワールは宿屋の主人役で、マルグリット・ルノワールは給仕の女性役で、
さらにさらにジャン・ルノワールの息子のアラン・ルノワールもちょい役で映画に出演しているという
まさにルノワールファミリー総出の作品です。

そのほかヒロインのアンリエットには哲学者・作家ジョルジュ・バタイユの妻、シルヴィア・バタイユ、
助監督にはジャック・ベッケル、ルキノ・ヴィスコンティ、アンリ・カルティエ・ブレッソン
脚本にはジャック・プレベール、製作にピエール・ブロンベルジェ、
...と後にビッグになっていくスタッフがずらりと勢ぞろいです。


作品自体は未完に終わったものを編集して作り上げたもので、
内容的にはちょっと薄い部分もありますが、純愛だけではどうにもならない
人生のほろ苦さを描いた名作に仕上がっていました。


パリから田舎にピクニックにやって来た家族のうちの娘が田舎の男と恋に落ちるも
結局は家の決めた相手と結婚してしまう。
数年後たまたま二人は再会して二言三言言葉を交わす。

  男:「しばしばあの頃の思い出を思い出してはあの森に足を運んでしまうんだ」
  女:「私は毎晩思い出すわ」

物語としては結婚相手は親が決め、自分が好きな相手と結婚することができない不幸を
描いた単純なものです。

しかし今の僕にはやたら心境を複雑に描こうとする現代劇よりはよっぽど面白いと思った。

もちろん今の日本ではこんな不自由はもうどこにもないのかもしれないけど、
それでもこの映画を観る価値が現在にないかといえばそうじゃないと思う。

形は変えども純愛だけではどうにもならない「不自由さ」というものはいつの時代にもあるもの。


二人は本当に仲が良かった。
誰が見てもいいカップルだった。
よくケンカしたけれどそれは心中を心置きなくさらけ出せる証だった。

...それでも二人は別離れなければならなかった。
この映画のようにどうにもならない外的要因があればあきらめもつくけど
それがなくなったぶん、現代ではその不自由さはかえってひどくなっているのかもしれない。


そのぶん人はもっと強くならなければならなくなったのかもしれない。


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Author: ただおー
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人はなぜ架空の物語を必要とするのだろう。自分の感情のセンサーを磨くため? はたまた自分を客観的に見つめることで自分を知るため? いろんなメディアの「物語」を読むことで物事の本質を探求します。

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